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[コメント] 化粧師(2001/日)

私をなりふりかまわず椎名桔平党にさせた作品。女性の柔肌に戦のように対峙する彼の視線にくぎ付け。そして、女性にとっての化粧を内面を含めて描いてくれたことに感謝。
terracotta

俳優の方の「なりきり度」はいつも映画の出来を大きく左右する。あの『ロード・オブ・ザ・リング』のイライジャ・ウッドもホビットになりきったビデオをピーター・ジャクソン監督に送りつけたというではないか。この作品では正に椎名桔平さんのなりきり度がすごい。池脇千鶴も彼に劣らぬなりきり度で、ラストのシーンを盛り上げてくれた。

なにをかくそう私は化粧が苦手である。もちろん十代の終わりごろには逆効果とは知らず塗りたくって飾り立てたこともある。しかしいまは、なんとか見苦しくない程度の化粧にとどめ、自分をまるで違う人のように見せるなんて「おこがましい」と思うようになった。

でも、人に肌を触られるのは大好きである(あ、ヘンな想像はお控えくださるとありがたいです)。本当に信頼できる人に、肌のお手入れから化粧までお任せできたらどんなにシアワセだろう。そしてその資格が私にあるかしら。この映画を見ながら、桔平様・・とつぶやきながらもぼんやり感じていたのはそういうことだった。化粧というものの本質を、私は女でありながら誤解していたのかもしれない、と思えてきた。・・・なーんて、とっても自分の中心にある固いところに触れてきた作品だったなーというのが、この映画を思い返すときに感じることです。また2、3年後に見たら、変わるかも知れないですけど、ね。

(評価:★4)

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