[コメント] アリ(2001/米)
時間の経過を解りやすくするのは伝記映画の勤めであり義務である。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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アリという数奇な運命を送った人物の宗教観が中途半端な描かれ方だし、権力に反抗して徴兵を拒否した事で何が失われたのかがハッキリしない。体力の絶頂期であるはずの20代のうちの3年という大切な年月が裁判のため無為に過ぎてしまうのに、アリの悔しさが伝わってこない。そして記者会見の時のマスコミが言った「10年前のあなたと違う」というセリフだけで10年も経ってしまっている事に我々は気付く。時間の経過を解りやすくするのは伝記映画の勤めであり義務ではないだろうか?
ボクシングシーンそのものはダイナミックなんだけど、如何せんウィル・スミスが身体を造っても、あれがヘビー級には思えず映画としての限界を感じる。
なによりボクシングに対するアリの思いもろくに伝わってこない。肝心のアリの人生としてのストーリーも面白くなく、この長尺は正直つらい。アリの実写を使ったドキュメントの方がよっぽどいい。この映画は『あしたのジョー』『ロッキー』と比較しても、感情を表現するパンチ力が足りない。もちろん、猪木のキック力もね。
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