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[コメント] 青い春(2001/日)

この無軌道な破壊力と、やるせない疾走感がいい。十代の一瞬が持つ独特の世界観を見事に切り取って描いて魅せている。邦画には珍しくラストまで緩むことの無いスピードと語らせ過ぎない演出が鮮やか。原作が漫画だとか青春映画と侮るなかれ!。
TOBBY

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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リアリティには欠くけれど作品自体、毛頭そこは重要視していないし、挿入される飛行機のアップやスローモーションのギミックが鼻につかず非常に効果的。雰囲気にはしりがちで陳腐な作品は数程あれど、本作は感覚的に鋭角的に自然に雰囲気を創り出していて好感。自分が男子校出身のせいもあるかもしれないがノスタルジックさと青い暴走に切なさが去来し胸に余韻を残す。期待していなかった若手役者たちが好演。クールな主人公演じる松田龍平が、ごく自然にカリスマを漂わす。彼がラスト、必死で階段を駆け上るシーンは胸に残る。新井浩文の凡人故のくすぶり加減も巧い。幾つかのエピソードが交差するのだが人生の分かれ道を想起させる野球部員(大柴裕介)のくだりが秀逸。キれた生徒(高岡蒼祐)が殺人迄犯してしまうエピソードは全体のトーンを唯一歪めてしまって残念。大ケガで停めておくべきだった。これで女生徒とのエピソードがひとつくらい絡めば最高のバランスだったのに。それにしても必ず青春映画に忍成修吾って出てくるなぁ…。校庭の桜が鮮やかに自由に咲き乱れるのと対比するように学校という一つの世界に縛られて、もがきながらも飛び出せない彼等の姿が胸に刻み込まれる。つくづく邦画はホラーと青春映画は得意なジャンルと実感。必見。ミシェルのサントラも嫌みにならず作品を盛り上げる。

青い名言集

「一年365日もあれば、こんな日もあるさ」by龍平

「夢はパイロットでした」by新井

「世界平和とか望んでます」by高岡

「グッドタイミングです」by大柴

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)Myurakz[*]

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