[コメント] プレッジ(2001/米)
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いいんですよ。カタルシスが無かろうと、救いのないラストで終わろうと。
でも、こっちは頭がちょっと悪いのでじっくりと説明して欲しいんですね。なんか唐突に終わっちゃって、どうやって気持ちに区切りをつければいいのか困る。
序盤は、定年間近の刑事の執念の捜査モノだったはず。そしたら、次は初老の男の第2の人生叙事詩に様変わり。でもここがしみじみしていて泣かせる。とか思っていると猟奇殺人サスペンスのテイストになって「あぁ、やめてくれ。頼むから殺さないで!」とハラハラしっぱなし。で、拍子抜けな結末が・・。
後半、夫婦(結婚してないか)の結びつきを描いてきたんだから、その心の揺れ具合を省いて終わっちゃったのは納得できんよ。「運命の不条理」を訴えたいなら,定年パーティに突如かかってくる電話とか乗り過ごした飛行機とか、ダイナーで出会った女主人の娘とかをもっと象徴的に表現すべきだったと思う。
定年パーティほっぽり出し、魚釣り旅行を棒に振って、しかも私財投げ打って捜査拠点の家まで買ってんのに、そのあとの捜査が間延びしすぎ。容疑者見つけてもしばらく放っておくし、脚本のツメが甘い。
これだけ文句言うのは、ジャック・ニコルソンだし、あのオープニング見せられて勝手に「チャイナタウン」のような悲しい結末を期待してしまったせい。(悲しい結末ではあったが・・)そもそも、定年までの6時間で結末まで行くものと勝手に思い込んだし、犯人はたぶん身内(首謀者はきっと母親だろう)だとか妄想描いてたし。
ニコルソンの演技はやはりさすが。しかし枯れた境地のジイサンもラブシーンではやっぱりギラギラしてた。デル・トロは最初からバレバレでうまいというより笑うしかなかった。ミッキー・ロークはワン・シーンだけだがうまかった。問題児だからホサレてるんだろうけど、もっといい役つけてほしい。
ショーン・ペン監督、叙情的なカメラとツボを押さえた音楽、時折繰り出すイマドキ編集テクなどなかなかの腕前を見せるが、やっぱ脚本でしょ。次に期待して大甘で4点。
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