主人公がいかにもクールな雰囲気の賢い不良ちゃんで（つまり、不良やるしか能がないといったタイプの愛すべきチンピラ野郎ではなく）、

これみよがしにオトナの偽善を暴くようなことをして周囲からも一目置かれてしまうような人で（つまり、裏でブツブツ文句を言っているだけの常に変人扱いを受けているヘタレではなく）、

かつ、何げにモテで（どう考えてもあの年頃の少年が敬遠しそうな女生徒も優しくフォローして好かれちゃうところなんて、しかも実際に付き合うのは美少女だなんて、前者の女性に近いタイプの私から見ればかえってムカつくだけです）、

つまり、少女漫画によく出てきそうなキャラであるというところです。

そういった主人公像も全てのび太の夢であったのだ、というオチならよいのですが、どうもそうではなさそうなのでいただけません。

で、そうしますと、そんなご機嫌な奴に何が起こったのかだなんて、端的に言ってどうでもいいです。ここは太字で書きたいところなので繰り返しますが、「ど・う・だ・つ・て・い・い」のです。

とは言え、このもわ〜んとした（プールの中にもぐった状態で見聞きした情景を思いださせるような）気怠いムードは好きだったので、監督の次回作にはそれなりに期待したいと思います。