[コメント] ザ・ワン(2001/米)
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ジェット・リーのアクションは今回も健在です。相変わらず動きが鋭く、格好良い。ジェット・リーのアクションからは本物の臭いがして好きです。ただ、ジェット・リー同士が戦うというのが今回の設定。要するにすべてジェット・リーが演じるが、場面上で戦うシーンは全て合成によるものというわけ。となってくると、ジェット・リーの格好良い武術のフォームはしっかり生かされるが、実際には戦ってないことになる。生の臭いが消えてしまうのです。『マトリックス』のようにCG技術で見せる映画なら、その魅力を堪能するが、ジェット・リーとなると映像よりも本物のアクションを期待したいところが本音。ジェット・リー対ジェット・リーは見物ではあるが、全体的にCGが中心のこの映画はジェット・リーが生かされきれてない。
ストーリーに関してはないようなものでしょうか・・・。ジェット・リーは観客が何も感じないような単なるアクション映画には出演したくないらしく、この映画も感じて欲しいメッセージがあるというのだが 、悪いけど何も感じませんでした。設定自体は最近多いSFアクション系の設定で、考え方としては嫌いじゃない。ただ、脚本があまりに安易。125の多元宇宙の"125"という数字に関する説明は一切ないし、あまりに話が薄っぺらい。でも、その方向でストーリーを進行させたいらしく、アクションシーンは思ったよりも少ない。話が面白くない上に、アクションが控えめになると、退屈して欠伸も出てしまいます。うまく均衡を保たないとダメでしょう。この手のSFはしっかりやりたいなら脚本が重要なはず。『キス・オブ・ザ・ドラゴン』もそうだけど(リュック・ベッソンの脚本が腐ってました)、もっと脚本練ってください。無理ならジェット・リーのアクション1本勝負にした方が無難だと思う。
映像も技術的にはかなり躍進して、技術的には素晴らしいのだろうが、あまり意味はない。元々格好良いジェット・リーのアクションに、絶対にあり得ない様なことをわざわざCGでやらなくても良いと思う。例えば、ガソリンスタンドのポールを蹴っ飛ばして折る、とか、バイク2台を素手で持ち上げて敵を挟んで殺す、とか。 全然必要ない。
最後に・・・。というか、宣伝文句ウソじゃん!確かに125人のジェット・リーが存在する設定だけど、123人目からしかしっかり登場しない。モニターには出てきたけど。「125人のジェット・リーのバトル・ロワイヤル」は一体どこへ。それならどんな技術使ってたって、見るだけで十分価値あるのに・・・。「善と悪のジェット・リー、真っ向対決!」ではだめなのでしょうか?あの宣伝文句であらぬ期待する観客は多いぞ、絶対。
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