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[コメント] アダプテーション(2002/米)

マッキーの登場とハリウッド化。

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ラストの怒濤の展開。不倫、ドラッグ、主人公の危機、逃走劇、カーチェイス、事故、弟の死、再び主人公の危機、ワニによる危機の回避、敵の死、恋人との復縁、ハッピーエンド・・・。

それまでの淡々とした進行に対して、あまりにもハリウッド的なラストの展開に、違和感と共にカウフマンに対する失望を感じた。一瞬。

でも、この映画の特殊な構造は、単に映画が脚本家自身の意識と並行して進んでいるというだけではなく、それ自身がまたフィクションであるというところにある。「脚本家が自らのことを脚本にするノンフィクション」というフィクション。

この映画はあくまでも、フィクションなのだ。

したがって、後半の展開は、カウフマンがマッキーに感銘を受け、ハリウッド的手法で脚色したなら、というフィクション。弟を呼び寄せ、彼の行動力に引きずられ、事件に巻き込まれていく。このあまりにもハリウッドのステレオタイプ的構造。

マッキーとの出会いによるこの転回こそが、この映画の最大のトリックらしい。

この転回に気づいたときには、多少救われた気がするけど、それでもなんか物足りない感じは残る。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)セント[*] ペペロンチーノ[*]

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