[コメント] フリーダ(2002/米=カナダ)
リベラが奔放にセックスに耽る男であるとか、それに敗れぬほどに気丈であったフリーダ・カーロのこととかは画集解説等で馴染みであった事実なのだが、それらを彩るさまざまな絵画と人物のコラージュ、そしてメキシコならではの音楽に乗せられたエピソードは改めて新鮮な光を放っていた。
奇怪な髑髏たちがフリーダを手術する幻想。内臓を引き裂かれ、骨を折り砕かれて涙するフリーダ自身。そしてベッドの中で燃え尽きてゆく死せるフリーダ…これらが決してリアルではない特撮のなかで、フリーダ・カーロの絵の雰囲気を壊さずに再現されてゆくのは見事だった。メキシコならではの演奏や歌唱も素晴らしい。
ただ、フリーダとリベラの共産主義との関わりについては知るところが少なかったので、学ぶところ大であった。特にマルキストとしては異端・商業主義とも罵られそうなリベラが、ロックフェラーセンターの壁画のレーニン像の削除を頑固に断ったり、メキシコに亡命していたトロツキーを心底から敬意をもって迎えるところなどは、自分にとっては意外な一面であった。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (3 人) | [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。