ストーリーは、単純だが、それを気にさせないテンポのよさで、ポンポンとストライクをとられ、決め球のストレートの見事さに惚れ惚れするような出来栄え。

もちろん、これだけベタな話をテンポだけで魅せられるはずはない。思い返せば、けっこう細かい演出と、やり過ぎになるギリギリのところで、さっさとシーンを切り替える絶妙のバランス感などもあるのだろうけど、それでも、ラストの余韻の素晴らしさなど、まごう事なく、直球勝負で負かされた、そんな爽快感のある映画だった。