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[コメント] キル・ビル(2003/米=日)

オマージュはほどほどに。
おーい粗茶

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「序段」のエピソードで、ナイフを背中の後ろに隠しながら、子供の帰りを出迎えるシーンのようなブラックユーモア。ああ、こういうのってタランティーノの映画でなきゃ味わえないなっていう満足感がこみあげてくる。でも、その後の「本編」がダレる。何と言うか説明過剰でテンポが悪い。

オマージュやリスペクトやらを全面否定しないけど、それをやろうとすると、本来の流れには必要のない「元ネタの復元(説明)」が割り込んで、テンポが悪くなるような気がする。スピルバーグが『A.I.』に『ピノキオ』をダブらせたくなって、エピソードが長くなり、中ダルミを生じさせたように。パロディの場合は、元ネタのディテールをしつこく再現すればするほど「最後にひっくりかえそう」という悪意にとって「タメ」になるから、しつこいことがプラスになるが、オマージュという善意というか愛は、ほんの一瞬感じさせるくらいがいいのではないだろうか? 愛をダラダラ語ってはいけないのだよ、きっと。

ついついあれもこれも見せてあげようというサービス精神はわかる。でも、タランティーノは自分が「映画オタク」だなんて称号はもう忘れたほうがいいんじゃないかなあ。

(評価:★3)

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