そして！それを明らかにジャンボジェットをわが身として操縦しつつ（だって空中から狙ってるんだもんよ）怨み節を口ずさむユマ・サーマンも凄いぜィ、と言わざるを得ないんだよなァ。

だが！しかし！そんなことも霞むファクターが存在してしまうんだよ。つまりは俺、栗山千明ｉｎゴーゴー夕張マンセーですから。恩師深作の映画から引っ張り込んできたとは言え、ホワイト野郎のクセに、ブレザーにチェックのスカートの牝ガキが極道組織で一目おかれてるエロティックさに気づくんだから、タランティーノ侮り難し、だよ。普通のオヤジならセーラー服に機関銃持たせて「カイ・ッ・カ〜ン」でしょ。しかし時代は動いてる、確実に。今や天下はブレザーですよ。あんまりしつこく繰り返すと、練馬変態クラブ会員に認定されるけどもう少し。あの空飛ぶ鉄球はせめてクサリガマにでもして欲しかったなぁ。それが唯一、栗山に関する不満。彼女も大儀そうに振り回してたから、軽快かつ残虐な武器にすべきでした。

ユマ・サーマンのことももう少しは書く。ヴィーナスも演じた名だたる美女役者に、ここまで汚れ役をやらせたのは、改めてカントクに頭を下げておきたい。弁護士女を脅迫し、答えねば四肢を一本ずつ分断するってのは西太后チックで痺れたね。ここまで残虐さを露わにしてこそ、阿修羅の道をゆく女ですよ。

そう、ともかくも女族の帝国なのよ。男はみんなショボい。『宇宙刑事ギャバン』こと大葉健二もショボ役（スキンヘッドの、千葉ちゃんの弟子ね）。千葉ちゃんもトチったセリフそのまま使われたりしてチョイショボだけどナレーションの重みで許す。でも、でもよ。手だけ登場して女部下を愛撫したり虐殺したりのビル様だけは別格。ホントはこいつの素顔見たくないのだよね。思いっきり期待外れのショボ野郎じゃ嫌だから。つまるところ期待してるんだから、その辺はマジよろしく、タラちゃん。