いえね、スキなんですよ、元々。こんな「トンデモ日本大行脚」みたいな映画（「二度死ぬ」「WASABI」「ブラック・レイン」）

ところが、バカ（文化的ギャップ？）が延々いつまでもダラダラ続くと、最後の方は飽きちゃって（ワシは大変飽きやすい性格である）、「そろそろ誰か踊ってくれないかなー？」とか「ダリル・ハンナの方をもっと見ていたいなぁ」とか気持ちが逸れまくりになってしまった。

もっと作り手のちゃめっ気が見えるような、「あら、そんなにおスキなの？あなたもおスキねえ♪」とコチラが思わず胸襟を開いてビーチクを見せたくなってしまいたくなるような、そんな「やむにやまれぬ感」が足りない気がした。

深作云々の献辞も何故か、「時期的にタマタマ重なったからそう書いてみたダケでしょ？」と憎まれ口のひとつも叩きたくなるのは、監督自身のスタイルが見えてこないせいか？

この映画はタラちんが、大昔の香港映画や日本のヤクザ映画を嬉々として分解し繋ぎ合わせて再構築し、ひたすらファン気質で模倣して、そこに馬鹿エキスを注入して見せたダケに見えてしまう（ので、気分が乗れない。どうしても冷静に見てしまう＜コレは馬鹿映画鑑賞態度として大いに間違っていると思う）

昔はこんな「ありえねー」「バカでーゲラゲラ」な映画が年に何本も作られてて、昔の子供というのは、こんな馬鹿映画をタマに観ては体内に馬鹿エキスを、「体に悪いわ！こんなモノ見てたら頭悪くなっちゃうー♪」とかちょっとだけやましい気持ちを抱きながら嬉々として注入していたものだったが、今やその馬鹿エキス含有映画が堂々、ハリウッドで作られて、一流映画の仮面を被って踊りながら（？）日本でロードショー公開される時代が来たんだから、オソロシイ事ですよ。ある意味。

馬鹿が天下獲りましたか？そうなんですか？？ するってえと、コレって喜ばしい事なんですかね？

でもね、ワシのゴーストが「この映画はチョット違う」と（やっぱり）言うのです。 ワシのゴーストが欲しがる物は、もっと、純真に馬鹿を。 作為ではない、天然の馬鹿エキスがこの世で尊いと思えるのです。