[コメント] “アイデンティティー”(2003/米)
ワンロケーションを巧みに利用し、豪雨が演出する雰囲気も上出来だった。しかしミステリに固執しすぎの為、妙にスッキリしない作品に…。辻褄合わせに一苦労で、首を傾げること必至。俺を苦しませる自己満足な脚本にこの評価を捧げる
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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そう、この映画は精神分裂の死刑囚による精神統合の話だった。全ては男の妄想。暴力的なことでしか精神統合が図れなかったのだ。その重大なポイントが前提にある為に多くの不自然な点の辻褄が合うかもしれない。「妄想なのだから」…と。しかしこれでは納得しようにも出来ない。脳内の妄想で片付けてしまったらコメントでも書いたように「自己満足」な脚本としか言い様がない。浅はかな騙し映画…。せめて脳内の事件が現実とリンクしてほしかった…と思う。精神的な要素以外、全て脳内に取り残された重要なポイント。これではスッキリしませんよ〜
脳内に限れば非常に巧く作られた話。ホラーとしてもスリラーとしても合格点。ヒッチの『サイコ』を連想させるような舞台設定。「コイツもアイツも必ず殺されるでしょ」的な展開でありながら『ファイナル・ディスティネーション』のようにお笑いでないところが良い。妄想のおかげで中途半端な点も多々あるが、ラストの大どんでん返しには正直驚いてしまったからね…笑。
役者も好演。キューザックは主役でありながら必要以上に前へ前へ出ない演技が良かった。リオッタは相変わらずのニクい存在に仕上がっている。アマンダ・ピートも変に癖がなく、しっかりと脇を固めていた。
という訳で、妄想と現実に距離感を感じてしまったが為にイマイチ解せない感じもするが、頭を捻らせる意地悪な映画として楽しめたから…まァいっか。(笑
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