閉ざされた空間で、出演者たちが次第に殺人の恐怖に陥るシーンは映画の中でよく使われる。しかし、同じシチュエーションでありながら、こうもクオリティが違うのはなぜだろう・・・と。

（ネタバレ交じり）閉ざされた空間での最大の魅力は「台詞」にある。出演者の過去現在未来、すべてが不自然なく会話の端々に現れ、全体像が見えてくる、これが一番望ましい。そこに行き着くまでに、不自然さがあってはいけない。

そもそもこの映画では、多重人格者が他の人格を殺していくという設定であるから、多少背後関係が不自然であろうが、そのオチが用意されているから良いだろうというような、雑さが見受けられるのだ。

交通事故で首の切れた母親が、ああも元気であること。これ、絶対おかしい。せめて傷の場所が腕とかであれば少しはリアリティがあったものの、これではあまりにも不自然極まりない。そして、９時間前に結婚したという設定がまったく持って生かされていないクレア・デュバルヒロインアマンダ・ピートと、叫んでいるだけでなんのヒネリもないきゃら。とにかく、肝心の11人が見えない殺人者に怯えるシーンが雑である、これが最大の欠点であるのだ。

もっと面白くなりそうなのに。。。。出来栄えはまぁまぁかも知れないけれど、実力派の俳優をこれだけ集めてこんなものしか出来ないのかという不満がのこるので、マイナス１点。

あ。ジョン・キューザックはいいんだよ。彼の演技力にしても存在感にしても、最高だから。←贔屓