[コメント] “アイデンティティー”(2003/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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オチは腑に落ちない部分があるものの、ミステリーとしては非常に面白い。
導入部分、母親が轢かれるシーンからぞっとした。何の前ぶれもなく、いきなりスパーンと跳ね飛ばされる女性。ブツブツと呟いている夫、その姿をジッと見つめる子供・・・。のっけからこれは面白そうだと引き込まれる。
女性の車からこぼれ落ちた靴が原因で車がパンクした一家、その妻を撥ねた運転手が靴を落とした女性を拾い、携帯電話を借りるため通りかかった夫婦に同乗させてもらいモーテルで登場人物が揃う。この繋がりも良い。集まり方に不自然さが無いのだ。
護送中の警官が上着を着る時、背中に血の痕がついていたり、女優の財布にお金が詰まっていたり・・・。何かがありそうだと思わせてくれる序盤。
それからずっとテンションは下がらない。次は誰?犯人は?息を呑む展開。登場人物皆に怪しい暗い影があり、観客は混乱する。
サスペンス映画に於いては、これが重要なポイントだと思う。途中ダラけないで加速し続ける。90分という短い時間に収めたからこそ、テンションが持続する。
また、期待を裏切らないキャストの面々の好演も特筆すべきところだろう。
さて、妄想オチだが。
確かに「ハァ!?」とは思ったものの、ノート筆跡などの辻褄は巧く合っていたし、最後のどんでん返しも面白かった。何もかもを解決して大風呂敷を畳むミステリー映画はたくさんあるし、たまにはこういうオチの映画があってもいいんじゃないの、ということでオマケの4点。
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