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[コメント] 六月の蛇(2002/日)

神足裕司がぬめぬめぬめっとしていて、
グラント・リー・バッファロー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







アメリカのポルノじゃないんだから、快感を得た悦びの表現が野生の雄叫びなのは勘弁してほしい。確かに「獣のようにむさぼり合う」みたいな言い方はあるが、それは人間でありながら獣のようになってしまうことへの、わずかな衒いのようなものが残っているからこそ成立する表現であって、100パーセント「獣」になってしまってはちっとも官能的じゃない。あんなのを見せられてもぜんぜん興奮しない。

どこのAVやポルノを参考にしたのか知らないが、あんなステレオタイプな羞恥プレイをえんえんと見せつけられたら、観ているほうが逆に恥ずかしくなってくる。

そしてつくづく演出力が乏しい監督だと感じた。黒沢あすかの芝居はとても見られたものではなかった。もともと一方向にのみ突出した作風なのだから、テーマを広げようとしても、結局似たような感じに収まってしまう。タイトルロゴが『時計じかけのオレンジ』なところはなんとも格好悪い。

と、さんざんに言ってしまったが、「不浄」を清めるものとして水を捉える作品が(とりわけ日本では)多いなかで、べたべたとまとわりつくような水を表現したあたりはおもしろかった。

(評価:★2)

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