[コメント] 早春(1956/日)
変化するものと変化しないもの
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
ストーリーは至って単純。夫婦の倦怠と夫の浮気。 そして、その後の展開もよくあるもの。
そして時代の風俗が淡々と描かれていく。現代の私たちがみると 少し不思議に思われるものもあるが。 (それにしても、通勤電車で友人をつくるなんて、すごい・・・本当に そんなことができたの?)
だがそんな展開のなかで、「変化」があることを私たちは 感じ取らざるをえない。シークエンスとシークエンスの合間で、 短い風景のシーンをはさんで、それは認められる。
例えば、唐橋のシーンを挟んで、煙突のシーンをはさんでその変化はおとづれる。 登場人物たちはシークエンスごとに変化していく。
例えば、何気なく置かれた「かばん」が映画的には大きな意味を持ちえるのだ。
さらに、映画は変化を超えて「変化しないもの」をもカメラに収めているように 思われる。それは何かは言葉にできないのだが・・・ いつも私たちがそれと気づかず触れている「変化しないもの」を。
作品は明らかに何らかの「永遠」を映し出している。
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