そしてその中で光り輝くのはファックボンバーズだろう。日本の映画ではほとんど出てこない（描かれない）人たちだけど、多くの映画ファン（関係者）は彼らに共感する部分が少なからずあるはず。まあなにしろ園子温自信の分身たちだからね。（谷川役の春木美香は判ったけど三木役の俳優の名前がわからない‥）

佐々木は坂口拓のために当て書きされたとしか思えないよね。ちなみに劇中でトラックスーツを着た佐々木に池上が「ジャッキーみたいだな」と言うシーンではそっちじゃないだろと笑ったけど坂口のwikiを見て納得。で、あの最期では佐々木とファックボンバーズとの出会いを回想して泣きそうになった。あと佐々木が中華料理店で働いていたのはベタでいいアイデアだったね。坂口が引退宣言をしたのは残念だなあ。

公次だけあまり人物背景が語られなかったけど、その唐突さがあの終盤での悲恋につながるわけでこれもよかった。

クライマックスの殺戮ではひとえに狂気がばらまかれるんだけど、もっとも狂ってて暴力的なのが誰（達）だったのかが見て取れた、と思ったらそれをさらに飛び越える狂気がいたわけで。ラストの解釈はわかれるだろうけど個人的には『幕末太陽傳』の幻のラストを想起させられた。