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[コメント] 不思議惑星キン・ザ・ザ(1986/露)

SFお伽ばなし。もしくは、砂漠のチカラ。
セネダ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







わたしには、あの砂漠が、キン・ザ・ザ星雲に存在する惑星というよりも、やっぱり地球上の砂漠(カラコルム、もしくは中緯度高圧帯のどこかの砂漠)にしか見えなかった。きっと、歩きつづければお家に帰れるかもよ、と。ずっと違和感を抱きながら観たのだけど、何もない砂漠を大部分の舞台にすることで、何かありそうにみせるのがすごくうまい。観ている側の想像力にゆだねるというか。実際に出てくるモノは巧妙に作られているし、余計なモノを排除することで、余計じゃないモノを徹底してつくりあげている(これはちと言い過ぎか?)ことに爽快さをもちました(とくに刑務所で、ほかには何もない部屋で、ねじのでかい版みたいなのを回転させれば、囚人を閉じ込めたケースが出てくる仕掛け。かなりあほです。でも、こういうところが、おもしろい)。宇宙船の離発着もうますぎる!

人物の描き方もおもしろい。地球人二人の行動に対して「もっと郷に従え!」「謙虚になれ!」「盗むな!」といちいち腹をたててました。

この作品、子供の頃に読んだ教訓がつまったお伽草子をそのままSFバージョンにしたようだった。『ソラリス』や『2001宇宙の旅』に出てくるようなスマートな機械システムを排除し、意表を突いた方向性(未知の異世界をユーモラスに描く、舞台としての砂漠)が、やっぱりこの映画の強みでありおもしろみなのだと思う。

4.5点

※追加レビュー

里帰りした際に、地元の映画館でやっていたので再度観に行った。ぐぅぐぅぐぅ。レイトは必ず寝てしまう。いやいや2度目というので、気が緩んだのもある。寝ていたのが大半ながらも、2度目なりの発見、おもしろさ、悲哀を感じた。前回観たときは、バイオリン弾きの存在をかなり軽視していたのだけど、彼がいなければ地球に戻れないということに(改めて)気づいた。盗みぐせ万歳。あとやはり役者が良い。主な登場人物は言うまでも無く、PJ様とその僕(しもべ)の独特の動作と雰囲気。たまらん。

「長いよ〜。30分にまとめられるね。」とは友人の談。確かに。おもしろいんだけど、長いのよね。これは1回目観たときにも抱いた感想。

思わず、店頭で売っていたカッツエ購入(PJ様と僕柄)!!

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] トシ[*]

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