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[コメント] イーグル・アイ(2008/米)

SFだと思って初見される方が多いようだが、この映画はSFじゃない。また、見る人の「知識」によって、この作品に対するコンセンサスが違ってくると思う。
山崎はるか

作中で使用されている技術のほとんどが「現行」のテクノロジー。ただ、その使い方があまりに先鋭的で、一般の人にとっては、ややもすると荒唐無稽と誤解するシーンがあるかもしれない。

 だけど、よく見ると、技術的伏線がほぼすべてのシーンで張られている。 たとえば、主人公が厳重に警備された空港を脱出するシーン。そのシーンでは「敵」によってゲートが開錠される。あたかもパスワードを改ざんしたかのように見えるが、じつは、その前のシーンに火災発生の警告と出口の方向を示す待合室の大画面がある。開錠の秘密はそのように単純。

 また、敵がコーヒーカップから音声を再現するシーンでは、そのかなり前に「(敵が)赤外線でデータをやりとりする」という説明が伏線ではられている。つまり画像のコマによる周波数解析ではなく、赤外線センサーを用いたドップラーで音をとっているという意味である。この技術も非常に単純。

 だから、セキュリティの人たちからすると「うんうん、そうだよね」に見えると思う。 そこは まちがいない。

 じゃあ、いまから5年後だと・・・ その頃になると、一般の人にとって「ゾクリ」とするリアリティというか臨場感があると思う。ただ、その時点だと、専門家からすれば ありきたり に見えるかもしれない。 商業作品の タイミングって重要だよね。

 ストーリーについては、それは好みの問題だろうから 置いておくとして。 動画CGの勉強や、カット編集の研究をしてる人は、見といたほうがいいと思う。 撮影監督にダリウス・ウォルスキー(パイレーツオブカリビアン)、編集にジム・ペイジ(CSIマイアミ、ザ・シールド)が入ってて、各種タイミングやポイントの宝庫になってる。 映像テクニック集といってもいいと思った。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (5 人)おーい粗茶[*] Orpheus TM[*] プロキオン14[*] ガム

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