色々なゴジラがこれまであった。と言っても熱心なゴジラファンでもないので途中は殆ど見ていない。ただ、ゴジラと言えば９０ｍジャンプ台で一番最初に飛んだ奴が１４０ｍ飛んだらその後はコンディションが悪くなったり転倒したりと８０ｍ、７０ｍ、８７ｍなんて延々やっていた様なものだ。これって実はジャンプ台を使って華々しく飛んだ最初の奴を見て「ジャンプ競技だとみんな思ってた」というオチなわけよ。

実は最初に飛んだ人はたまたまそこにジャンプ台があったからジャンプした人だ。そういう競技だという認識が本人全くなかった。後発はここで既にかなりのハンデがある。というか勝手にジャンプ競技と思って自らハンデを作ってしまった。曰く滑る時は前傾姿勢にして抵抗をなくさなければスピードが出ないとかジャンプしたら手をそろえて体のバランスを崩さないようにするとか。実はそういうルールは全くない。スタート台だってもっと上から滑り始めればはるかに加速はつくし加速をつける為に背中にジェットエンジンを積んでもいい。ジャンプ後、鳥人間コンテストの如く羽を広げて遠くに飛んでもいいのだよ。

今回の作品の主張はまさにここにある。勝手にジャンプ競技だと思い込んでいた当事者と観客に「ほら、こうすればもっと遠くに飛べる」と羽を内蔵しジェットエンジンで加速をつけた。ただジャンプした後でもエンジンを捨てなかったので羽を両手足につけた意味が半減し普通の競技者と飛距離がどっこいだったところが問題だ。要は飛距離を稼ぐアイディアは満載だったのに殆どが「使えねぇ〜」って道具だった。心意気は買う。そして問題提起したかった意図もわかる。・・・が、そもそも遠くに飛べる才能がないんじゃないか？という疑念がっ。

熱心なゴジラ評議委員会の方々の意見も割れているようだ。まるでV字ジャンプが初めて出てきた時の騒ぎのようじゃないですか。

で、俺の感想は「V字もいいけどやっぱ札幌の７０ｍの笠谷よ」。俺までジャンプ競技だと思いこんでるわけで。