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[コメント] ウインドトーカーズ(2002/米)

ジョン・ウー版『戦争のはらわた』、ではない。 あくまでもファンタジーとして。
たかやまひろふみ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







終始シカメっ面のニコラス・ケイジは、過去を背負って苦しむ男というより、単に演技の幅が狭いだけに見え、飄々としたクリスチャン・スレーターの方がずっと魅力的なのだけど。

いつも通り女性は添え物、どころか何の必要性もなく予告編のアレは何だったの?と思うのだけど。

広大なフィールドでのドンパチも、『プライベート・ライアン』以降の作品としては迫力の点で見劣りするし、艦砲射撃が資料映像なのも大いに興醒めなのだけど。

日本兵がヤラレ役に過ぎないのは分かっていても、「ホリョダ」には脱力させられたし、痛み止めやらチョコレートをあげて「ダイジョブダ」なんてエピソードもそりゃないだろう、と言いたくなるのだけど。

「もう誰も殺させやしない」とはつまり、その為に誰かを殺すことなのだけど。

ああ、それでも、それなのに、胸熱くなる幾つかの瞬間を持ったこの映画を、男の友情なんて絶滅した代物を、いつにも増して本気で描こうとするジョン・ウーを、自分は嫌いになれない。

いや大好きだ。

だからこそ、全肯定できない舞台設定がもどかしく、うらめしい。

(評価:★4)

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