[コメント] ミスティック・リバー(2003/米)
絶賛されるほどのものとは思わなかった。思えなかった。本作を全面的に肯定できない理由。
確かに丁寧な作りと思う。 確かに役者は巧みと思う。
けれど、結構スカスカというか、 表面的というか。 強引すぎる嫌いに私は肯定できなかった。
それぞれの悲劇を描くには、 説明不足すぎた。ゆえに感情移入がとてもしにくい。 このテーマだけならば、即ち、 幼年期のトラウマによる犯罪ならば、 もっと優れた作品は沢山あると思う。
俳優陣全て巧みであること、 演技派俳優3人の夢の競演、 これらが、本作を本来の作品のレベル以上に 評価させた所以だろう。
だが、それも、 全員が巧すぎて、 私には逆に印象が薄かった。 そう、本作は優等生映画なのだ。
罪を描いた優等生映画。 それって、違う。 どこかでおりこうさんじゃないところがないと、 この手の作品は違うと思う。
男優賞獲った作品だから期待していたけど、 彼らの「演技」が光る、印象に残る代表作は、本作ではない。
本作が素晴らしかったのは、 アクの強い役者の抑えた演技によるハーモニー。 そして本作のダメな所も同じで 抑えすぎて優等生的作品になってしまったこと。
私のように、この作品を絶賛できない人は、 きっとこのテーマで「優等生的」にきれいにまとめすぎたところが、 肯定できないのではないかと思う。
とは言え、これはこれでイーストウッド監督の力は評価できるものであるが、 やはり、もっと粗い監督が作った同作、同出演者作品を 私は見たいと思う。
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