非常に気まずい思いをしながら鑑賞する羽目に。

個人的なことは置いておくとしまして本作の評価に触れますが、かなり「女にいえない男の事情」「男にいえない女の事情」を描ききってる感があります。それも映画の中というバーチャルな世界だけでなく、本当に一般的な日常に潜む愛憎といいますか、明るい話ばかり取りざたされる「恋愛」というテーマに対する最高にダークな側面がフィーチャーされています。特にラストの何分間かはすさまじく、こちらの精神に語りかけてくるものの大きさといったらもう・・・。

ただ、前半〜中盤部が冗長すぎた感は否めず、はっきりいって退屈なのが惜しいです。ラストに持っていくための必要な説明部分ということはよくわかるのですが、折角冒頭のシーンにトランクに穴が開く場面を持ってきたのだから、もう少しタランティーノチックな「見ている人を飽きさせない時間の切り方」もできたのではと思います。ほとんどのシナリオが主人公であるギフンだけに密着している点も冗長さの原因になっているのかもしれません。

そんなこんなで「ホント気まずい・・・この映画いつ終わるんだ・・・」という感情に支配された２時間ほどでした。