[コメント] ヒトラー 最期の12日間(2004/独=伊=オーストリア)
やっぱりどうしても「ドイツの自己弁護」に見えてしまう。現実をフィクションの形態で描くことの、功罪と葛藤。たとえ「ウソ」であっても、物語の中では、彼は、とんでもなくお馬鹿で、どうしようもなく悪い奴に描くべきところもあるのではないか…。
「映画」としての出来はもちろんいいと思う。でも、「いいからこそ」の、弊害もあると言う事は、意識されるべきではないのか。
「彼」は、人間として弱いところもあったが、優しい面もある、そういう不幸な巡り合わせであった。
それはきっと、「事実」に近いのであろう。でも、しかし、現実と言うのはさまざまな面を持っている。
本当に最初に描かれるべきであった事実は、「最後」よりも、世にも恐ろしい「途中」なのではないか。
悪行のイメージアップにつながっていないか?
簡単には割り切れないものを感じる。
この映画の出来の良し悪しよりも、そう言った「疑問」を抱きながら向かい合う姿勢を忘れるべきではないと考える。
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