[コメント] ロング・グッドバイ(1973/米)
警察物が「正義の味方」だとすると、私立探偵の行動原理は「本当の事を知りたい。偽りを暴く」と言う一点にあるのだと思う。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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原作にある「親友」に対する信頼と愛情と、真実を知ったあとの苦渋に満ちた逡巡が、ものの見事に木っ端微塵に吹き飛んでいるアルトマンテイストの本作は、いっそすがすがしい逆ギレっぷりで幕を閉じている。でもそういう冷たい荒み方はあまり好みではないので、残念ながら−1点。グールドがいくら「あいつはそんな事をする奴じゃない」と言っていても、すでにもうその段階でなんともうさんくさいので、どうしようもない(苦笑)。
チミノファンにとっては、もう条件反射的にひれ伏すしかない、ジグモンドの映像はたっぷり堪能しました。警察で尋問されている時の、マジックミラーの汚れごしの撮影。室内の映像とオーバーラップするように、海辺の家の窓ガラスに映る、浜辺に佇むグールドの後ろ姿の遠景。昼間の空の突き抜けたような色、夜の道路の全体が輝いているような空気。夜の海の荒々しい波の美しさ。もちろん煙草の煙の輝きも。
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