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[コメント] グッバイ、レーニン!(2003/独)

設定がシリアスなのに、オフビートに笑いを交えて展開されるアンバランスさにいまいちのめり込めず。
ざいあす

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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脱力系コメディとばかり思い込んでました。

けっこうシリアスで泣かせます。が、そこに挟み込まれるユーモア感覚は独特。ちょっとアキ・カウリスマキのようなオフビートな味わいあり。

ただし、まったく思想の相反する親子が衝突なしというのも説得力に欠ける。 デモに参加するくらいだから民主化への思いは強いはず。社会体制より家族の絆ってことだろうけど、笑いにつながる部分は良いがどうもそのあたりのぬるさを突付きたくなる。

東西ドイツ統一の様子が家族の暮らしぶりと共に描かれるので勉強になります。ワールドカップの熱狂もあったけど、当時はまだ統一チームではなかったのね。ちゃんと試合の映像とかもあってフェラーは金髪にヒゲですぐわかった。

統一は、傍目には平和ムードの万々歳に見えるが、実際は両者の経済格差からくる軋轢はかなりのものだろう。自由主義経済は過酷な競争社会でもあるわけで、旧東側は瞬く間に2級市民扱いされるらしいし。

最後のところは父親との再会をもっとドラマチックにできたところなのだが意外にあっさり。母親についても真実を知ってしまったのかどうかもはっきりしない。

ベタベタに泣かせるより、行間からにじみ出る匂いを味わう映画なのかも。アキ・カウリスマキならすんなり入れるのだが、この監督にはどこか違和感持ってしまった。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)MM[*] けにろん[*] イライザー7

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