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[コメント] イーグル・アイ(2008/米)

この映画は近未来予測SF。既にこうなっているとは思いたくない。☆3.6点。(reviewでは連想ゲームにより映画と関係のないハナシも)
死ぬまでシネマ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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SFの未来予測は後世から見直すと恥ずかしい部分も多いが、「見た目」に惑わされる事勿れ。実際のところ世の中予測通りになっている事も多い。薄型TVや超小型情報チップ、携帯型情報端末などは実現している。そして監視カメラによる監視社会も。

A.I.の反乱はSFの世界ではロボットの登場以来(アシモフは1950年)繰返し語り語られてきている。ロボットだと「鉄腕アトム('52〜)」や「火の鳥(復活篇'70など)」など手塚治虫作品では繰返し取り上げられているし、映画では『アイ,ロボット』('04)が記憶に新しい。コンピュータの反乱となると矢張り『2001年宇宙の旅』('68)が代表格だろうが、聖悠紀の漫画('82〜)のライガー1(=銀河コンピュータ)がぼくには印象深い。「地球へ…('77〜80)」のグランドマザーも(?)。

監視社会への警鐘もSFの世界では昔から訴えられてきたテーマである。「1984年('49)」のビッグブラザーを思い出す。もう10年も前の映画になるが、佳作『エネミー・オブ・アメリカ』('98)もある。スピルバーグは『マイノリティ・リポート』('02)で監視社会を警告している。個人が持っている携帯型情報端末自体が、モバイル監視カメラ・モバイル発信器となるというのが、近年大いなる脅威となろう。コンピュータネットへのハッキングも大昔は想像不可能な事象だったが、『ウォーゲーム』('83)以降「攻殻機動隊('89〜)」など多くの作品が扱ってきたテーマであり、既に日々の危険として現実化している。

    ◆    ◆    ◆

先日爆笑問題が出ている某TV番組で、歌舞伎町の監視カメラ設置によって犯罪件数が激減した、と監視カメラ礼讃した上、最先端の人物特定法として顔認証に加えて歩行認証というものを紹介していた。これで眼鏡やマスクで覆面をした人物でもほぼ特定出来るのだという。まぁそういう話は何れは出てくるとは思っていたが、驚いたのは番組(TV局)がそうしたやり方での犯罪抑止・取締の危険性について微塵も警鐘を発しなかった事だ。正常な知能を持った人間なら何らかのキナ臭さを感じると思うのだが、視聴者任せなのだろうか。

廊下の奥に何か立ってそうだよ。…

(評価:★3)

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