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[コメント] インセプション(2010/米)

だからノーランってばちゃんと俺の『パプリカ』review 読んだのォ? ☆3.7点。
死ぬまでシネマ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







夢ネタほど胸躍るSFネタもない。それを懲りずに「生真面目な夢見師」C.=ノーランがまた描こうってんだから期待も膨らむ。ところが相変わらずD.=リンチ的要素に欠ける生真面目さ。夢に階層があるのは解かるが、夢時間は計測できんだろ〜よ! せめてM.=エンデちっくな秘密道具(魔法)でも提示してくれればいいが、生真面目なノーランは飽くまで夢の方を現実(観客)まで引っ張ってこようとする強引さ。

俺が監督なら登場人物は絶対「変身」出来なくてはならん。それを欠いている事こそこの映画の一番の問題点だ。唯一ケン=ワタナベがジジィになっただけでは如何なものか。早く映画にしたくて脚本練るのを怠ったとしか思えんよ。

パプリカ』review ともカブるが、そうなると「定位」が難しくなる。夢の<主体>の中に別の<主体>が入り込む事を映画でどう表現するか。観客に判るか判らないかの所で定位させるのは至難の業だが、それをこの映画ではあっさりオミットしてしまった。ハッ。

     ◆     ◆     ◆

しかし刑事プリ男も「カブる」という事が恐くないのか。『シャッター通り商店街』に続いてまたも「妻追い人」か。意図的としか思えんな。

エレン=ペイジ、キュートです。ちょっとこの映画ではミスキャストではないのかと思えるが、それでも演じてしまうのが向こうの女優さんだ。芯が太いんだよな。

J.G.=レヴィットは注目株だが、刑事プリ男にはいつまでも妻を追わせといて、それをどう思ってんだかせっせと自分の仕事をこなす役目を彼に振る、ノーランのねじれ具合こそ素晴らしい。兎も角、レヴィットはJ.=マカヴォイにイラッてカッカソーヨーしてた俺に見事な解答をくれた。(日本で言えば最近のTVドラマ「ジョーカー」で目立っていた錦戸 亮+平山浩行といった所か)

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ロープブレーク[*] けにろん[*]

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