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[コメント] カンバセーション…盗聴…(1974/米)

カンヌで受賞したからというわけではないが、素直に面白い作品。色々な意味で神経質になるよね。ラストシーンはいいね。
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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これは色々な意味でコッポラの原点と言える作品で、出演している役者にしても何にしてもコッポラらしさが現れている。かなり個人的な作品として見ることもできるが、仕事と個人、公人と私人との境目を描いた見事な作品と言えよう。

導入部からこの主人公ハリイの仕事が盗聴であることで、次第に引き込まれて行く。主人公が徹底的に好奇心というものから離れようとしているのに、仕事が彼を離さない。ハリイが仕事と自分との見境を失った時点で、見る者は自分の客観性を認識させられる、という作りである。

結果、この映画でハリイ自信が盗聴されてるかどうかはわからない。このラストが素晴らしい。盗聴のプロが盗聴されていることを発見できないのだ。ミイラ取りがミイラ。自分の仕事で自分が狂気に陥れられる。

この映画の持つ臨場感と現実味はこのラストシーンだけで十分描かれている。ただのサスペンスから哲学性に飛躍させた見事なラストだったと思う。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)おーい粗茶[*]

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