中国映画の表出するもの、それは淡々と流れる風景。『赤いコーリャン』や『黄色い大地』で表現されていたものは、世界各国をかけめぐり完全なる中国映画として時代を築き上げてしまった。

この映画のシンプルさ、この映画の色、こそ映画の汗、この映画が伝えようとしてるものは、世界の人々を震撼させるだろう。

大して日本映画はどうだ。国際色豊かになった反面、映像から流れ出る国の文化、世情、歴史、そういったものを限りなく排除してしまった。

中国映画だから、ということではなく、この映画表現に対抗できる純粋な映画作家は現れないのではないか。