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[コメント] シベールの日曜日(1962/仏)

分かり合えない一線。(05・10・23)
山本美容室

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 ピエール ハーディ・クリューガーはインドシナ戦争で少女を殺してしまったという罪悪感に悩まされてるんだね。東洋人の少女の顔のアップは夢に出てきそうなぐらい強烈な印象だもんなぁ。「この罪悪感は誰か少女を救う事によって救われる」とピエールはなんとなく思っている。そんな時に出会ったのが父親に捨てられたフランソワパトリシア・ゴッジだった。フランソワとピエールは毎週日曜日に親子として面会する関係になっていくんだね。「あなたいくつ?」「たぶん30ぐらい」「私はたぶん12ぐらいよ。私が18の時あなたは36。そんなに変わらないわ。そのとき結婚しましょう」子供らしい無邪気な約束。木影が映る水面に石を投げて波紋を「私たちのお家」と名付ける儀式。

 ピエールの恋人と称する看護婦マドレーヌニコール・クールセルは愛しているといっても不純な心を持った女だ。ピエールが病院に運ばれてきた時に記憶喪失状態をいいことに彼に「私が欲しくなったらいつでも言ってね」と言う。ここに男と女の間の誤解があるね。女には男がいつでも発情しているものだという思い込みがあるのではないだろうか。ピエールには安らげる存在が必要だったんだね。日曜日に口笛を吹いて帰ってきた時にその原因を突き止めておくべきだった。毎日のように体の関係を求めるなんて無茶でいやらしい女。男にはできない時だってあるという事を女の人は知るべきだね。純粋な「恋人ごっこ」も大人の嫌らしい視線で悲しい結末に終わってしまったなぁ。

 この映画はアンリ・ドカエのキャメラが凄く芸術的だ。水面に映る二人を波紋が崩すところを撮影したり自動車のミラーに映る人物を追いかけてみたり。少しやりすぎなぐらい。鏡とか水面のような儚いものにこだわってみたのが幻想的で良いんだなぁ。ところでこの映画はスタンダードサイズじゃないでしょう。NHK衛星第二放送では端っこが切れて人物がフレームからはみ出していたように思った。オリジナルでDVD化を希望します。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)寒山[*] けにろん[*] 水那岐[*]

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