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[コメント] 座頭市関所破り(1964/日)

So Long Dad.
町田

喧嘩旅』や本作で市が見せるアクロバティック剣戟は安田公義の緻密な計算と技巧に裏打ちされている。独楽が裂けるまで、碁盤が割れるまでの「間」が絶妙なのだ。除夜の鐘など音の遣い方も実に効果的。BGMと画面の合せ方も達者。全体のリズムも小気味良く、内容も良く似ている浅井昭三郎単独脚本を池広一夫が監督した『千両首』より数段上の出来映えと品位を備えている。彼はオリジナルシリーズ全24作中6作を手掛けているが、これは大本命三隅研次と並ぶ最多当番数である。(田中徳三、池広一夫は其々三作づつ。制作が勝プロに移行してからは声を掛けられていない。)

役者では駄目親父儀十役の伊井友三郎が抜群の存在感を発揮。ライバル沖剛之介役の平幹二郎も剣捌きの不味さを除けば中々の好演。角兵衛獅子の少年らに対する演出も申し分ない。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)sawa:38[*] ぽんしゅう[*]

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