庵野印の空想科学映画だが、既視感たっぷりで驚きはほとんどなかった。エヴァンゲリオンの実写版だし、シン・ゴジラの進行だし。巨大長澤まさみはゴーストバスターズかポニョのグレートマザーを思った。役者はそれなりの人を連れてきているが、それまでだし。丁寧な作り込みだけは好感が持てる。前半の音楽も懐かしさでよかった。光の国から僕らのために、きたぞ我らのウルトラマンの初期設定はちゃんとのこしてくれたし。

でもね、ウルトラマンはTV上映当時、確かにその姿スタイルはかっこいいし、格闘シーンでスローモーションになるところも重量感があってよかったけど、所詮は着ぐるみの子供騙しの怪獣ものだった。 SFというのも恥ずかしいくらいだった。ミステリーゾーンやアウターリミッツやもちろんスタートレックの方が特撮も手が混んでいて本物ぽかったし、日本のTVものはダサくてしらけてた。ゴジラだってアンギラスと戦う2作目以降は、子供はこんなもの喜ぶんだろう、というギャグ路線があったりしてしらけるばかりだ。

手塚治虫のまんがだって、いつ卒業するんだ修治、といつも姉兄に言われていた。それがいつの間にか金になるせいか、大きな顔をして恥ずかしげもなく大手を振ってそこいらを歩き回っている。どっかちがうんじゃないかい、という思いが消えない。そう思っている私がきえれば済むことかい。