[コメント] バティニョールおじさん(2002/仏)
今まで見た映画(そうご大層な数でもないが)の中で、最も「ああ、戦時ってこういうものかもしれないな」と納得させられる部分の多い作品でした。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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バティニョールおじさんは政治的意向を含む行為が嫌いで、だからこそ、ごく良識ある大人として、かわいそうな子供であるシモンを助けられたし、娘はただ、若い娘らしく「楽しみたい」ってだけ。だからアホ婚約者を利用して試写会だパーティーだと遊び歩いたり、将校といいことしたり、しようもない行動を重ねながら、結局は父親の味方になれた。子供たちも、自分たちの民族の過酷な運命に全く気づいていないわけではないだろうけど、腹減ったの喉渇いたのと「素直」なことこの上ないし、憎たらしい口も利くし、本当にその辺の子って感じでした。
非常時といったって、人間は生きたいように、あるいは生きられるように生きていくのみという描き方がすごくよかったと思いました。
困った困ったと言いながら、密告者になるのを潔しとしないバティニョール、アパートの大家さん、偽医者であることを承知の上で手伝ったナース、国境近くに住むイレーヌさんと、彼女に協力する警察官や神父さんなどなど、骨のあるかっこいい大人がたくさん見られたのも、とてもいい気持ちでした。
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