[コメント] 第三の男(1949/英)
「光と影」カメラワークの勝利!最近の映画には、どうしてこのような「詩情」が
描けないのだろうか?オーソン・ウェルズの悪戯っ子のようなはにかみ顔がセクシー。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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冒頭、アントン・カラスが弾くツィターの弦の登場の仕方からグッと聴衆の心を掴む。 モノクロだからこそ活かされた「光と影」のマジック。カメラワークの巧妙さに舌を巻く。 破滅的な男に恋した気丈なボヘミア女の母性をアリダ・ヴァリが情感豊かに表現している。 ダメ男の純情をジョセフ・コットンが好演、トレヴァー・ハワードの引き締まった 表情による名演も素晴らしいが、何といってもオーソン・ウェルズの顔が暗闇から パっと浮かぶシーンでのはにかむような、悪戯っ子が悪さをしているのを見つけられた 時のような表情がセクシー。 「ウィーン3百年の平和が生み出したものは鳩時計だけさ!」といった洒落た台詞も ニクイ。ロングカットによるラストシーンは切ないツィターの調べと散り行く木の葉 が妙にマッチして、音はしないのにヴァリのハイヒールの音がドップラー効果のように 近づき遠ざかっていくのが聞えるようだ。ここにPoemがある。
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