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[コメント] モンスターズ・インク(2001/米)

子供らへの眼差しが温かいから良いのです。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 Yasu様も指摘されていましたが、エンドロールのNG集が終わった後に「No monsters were harmed in making this film」(この映画を作るにあったってモンスターに一切害を与えていません(傷つけていません))と出ます。これって子供たちにとって凄く重要な事なんですよね。幼い子供たちって、思わぬところに繊細で傷ついたりするんです。

 また『オズの魔法使』で申し訳ないんですが、『オズの魔法使』にウィンキーという魔女の奴隷たちが出てきます。初めて『オズの魔法使』を観た小さな子供たちが「ウィンキーたちは一体あの後(魔女が死んだ後)どうなったの?!」と訊く事があるそうです。それを聞いた大人達は「あれは俳優さんたちがメイクをして演じているのよ。だから彼らは大丈夫。」だとか見当違いの返事をするらしいのです。子供たちは「魔女が死んだから彼らは自由の身となって幸せに暮らしたんだって。」と言って欲しいのです。そんな風に、子供たちってちょっとした部分が気になったり、繊細だったりするものです。

 「No monsters were harmed in making this film.」 この映画を作る側の子供たちへの視線の温かさは、こんな細かい部分からもよく分かりました。モチロン映画本編にもそれは感じられたのでこんなに優しい映画に仕上がったのだろうなと思います。

 また、お化けやモンスターを怖がる年頃の子供たちに教訓のような事を言っています。怖い、恐ろしいと思えるような事も、実際には怖くなんてないんだという事。自分を傷つけようとしている風に見える人間だって本当はそれが本意じゃないのかもしれないし、”一皮”むければ親友にだってなれるのかもしれない。又自分の考え方・見方一つで変化して行くのかもしれない。・・いろんな意味で、表面的なものに惑わされないでいよう、っていうメッセージ。わたしの好きなメッセージ。

 ラスト近くのお別れのシーンでぐっと涙を堪え、マイクがブーのドアを直してくれたシーンで再び堪え、ふと隣の2歳の娘を見たら神妙な顔をしている。そして再会の「ニャンニャン!」のところでもうニコニコと嬉しそうに画面を見つめていました。わたしが「またニャンニャンと会えて良かったね」と言うと「ウン」とニコニコ。難しい話なのでほとんど理解できてないと思うけれど、そこはちゃんと理解できたんだなぁと妙に感動してしまった。あのニコニコを見れて良かったな。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (5 人)torinoshield[*] トシ[*] ミッチェル[*] スパルタのキツネ[*] さいた[*]

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