お母さんの死体を死体袋に入れるシーンとか、次々とショッキングな描写が続くのは、まぁいい。もし現実に起こればああいう事態になるはずだし、楽観的に描くのは間違ってると思うから、パニック映画としてはショッキングなのは仕方ない。

　でも、なぜ主人公の奥さんは助かるの？　友達は死んだのに…。大体、奥さんはウイルスの研究者なのに女優みたい（というか演じてるのはそりゃ女優だけどさ）。もっと色気のないメガネの人にしたほうが断然リアル（研究者の人、ごめんなさい）。

　あそこまで無情に街の人達を殺しておいて、主人公の奥さんは助けるなんて。あれ観て「良かった、奥さんは助かった」って観客がいると思ってるの（いるかもしれないけど）？　奥さんも殺したら観客が「ひどい！」って怒り出すとでも？　逆だよ、逆。あの瞬間すごくこの映画全部がバカらしく思えたもん。町人の代わりに自分は怒った。

どっちかといえば、奥さんは死んでしまったけど友人は生き残った…というラストの方が苦くていい。