家にこだわる理由について人に聞かれれば、「死活問題だから」とベラーニ（ベン・キングスレー）は答え、「自分の家だから」とキャシー（ジニファー・コネリー）は答えるだろう。また警官のレスター（ロン・エルダード）は「彼女が不憫だから」と答えるだろう。

レスターの場合が最も独善的で、夫に暴行された婦人をでっち上げの罪を着せ夫から救ったように、女性を困難から救うヒロイックな満足感からきているようである。　<<家族から頼られたい>>　レスターにとって何のトラブルも無い順調な家庭は居心地が悪かったのではないだろうか？

三者が全てを失うエンディング。　これは悲しい結末だろうか？　単純にそう言い切れないものがあると思う。　冒頭から既に大切なものを失っていた彼らにとって、本作のラストは続いていた悲劇が終わったにすぎない。　すなわち、彼らを苦しめた苦悩（ベラーニの死活問題、キャシーの家、レスターの順調な家庭）から彼らが解放された結末とも言える（苦悩は希望の裏返し）。　彼らは、偶然同じ家に迷い込んだ小鳥だったのではないだろうか？

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ジェニファー・コネリーの悩める姿はとっても美しいのだけれど、そんな悩みの中にあっての微笑みをもう少し入れてほしかった。最高に画になると思うのだけどね。　勝手な想像だけど、撮影中は休憩の合間も笑顔や雑談などほとんどなさそうな気がする。興味本位ながらＤＶＤにメイキング映像特典があれば観てみたい。