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[コメント] 愛しのローズマリー(2001/独=米)

出会いをテーマにした作品では、自分の中で1番です。本作の出会いについて、自分流に解釈してみました。
スパルタのキツネ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 ハッピーエンドを迎える本作。果たして、2人は出会えたと言えるのでしょうか?

 ハルがレストランの公衆電話前でローズマリーに気づかなかったシーンは、全編やさしさにあふれる本作で唯一残酷ともいえる場面でしたが、この時点でハルがローズマリーに「出会ってない」ことを示す重要なシーンだったといえます。

 外見のみにこだわった「遺言」と、内面のみを重視した「催眠術」は、本作の重要な要素となっていましたが、これらには「範囲外の女性は、外見上美しく見えない」という共通点(欠点)があります。結局、ハルは催眠術をかけられても、父親の呪縛(=外面)に支配されていたのです。

 このように外面のみを強調した点、どうにも痛いところをついた本作ではありますが、内面のみを重視してもその門は狭いわけで、つまるところ「外見にしろ、内面にしろ、意識しすぎると出会いを逸するよ!」というのが、ファレリー兄弟の狙いなのかな?と思いました。

 そして、ラスト。ベッドプレイを難なくこなしていたハルが、ローズマリーに抱きかかえられる立場に変わるシーンは、ようやく彼が父親のトラウマから解放され、”素”のローズマリーに出会えたことを示していたように思われました。

(評価:★5)

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