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[コメント] 夢の女(1993/日)

淀川長冶氏曰く、「映画らしくはなってきた・・」:んなぁこたぁどうでも良い。問題はここまで出演作品に恵まれない大女優も珍しいという邦画界の謎だ。
sawa:38

この年、彼女は48歳。・・・美しすぎた。

本年(2005年)では60歳である。それでも、連日流れるTVCMでは「美」の象徴として敬うように使われている。決して老女ではなく、熟女の扱いである。

「女優」「美」というキーワードを対象とした各種のアンケートでも彼女は上位どころかトップを取る大女優でもある。

しかし、彼女が邦画界に残してきた足跡はあまりにも小さい。出演作はべらぼうな数に昇るが、その内容たるは惨たん足るものがある。いつまで経っても『キューポラのある街』と『愛と死をみつめて』なのである。

もちろん、後年の80年代から90年代にかけての出演作では日本アカデミー賞の女優部門の常連として毎回登場する事になるのだが、その作品群はことごとく興行的に失敗作と断言してもいいだろう。つまり彼女の出演は、話題にはなっても金にはならないのだ。

もっと言おう。個人的主観で申し訳ないが、彼女の出演作品は「面白くない」のだ。 企画を持ち込む製作者が悪いのか、オファーを受ける彼女側が悪いのか・・・

企画を持ち込む側は、大女優に遠慮するあまりに、彼女を綺麗に撮ることばかりを考えた企画に終始してやいないか?それはまた文芸調の娯楽とは一線を画した作品に偏り過ぎてやしないか?

そこに映像化される彼女は、人形のように綺麗なだけで終わってしまう。

彼女の出演作の大半のマーケティング層は中年の主婦層であろうか。綺麗な女優さんを鑑賞しに映画館行くのだろう。だが、この限定されたマーケティング制作ではメガヒットは生まれない。

せっかくの日本最高の女優なのだ。もっと有効な使いみちは無いのだろうか?この「大女優」然とした作品選びは今後も変更はしないんだろうとも思う。現在、彼女の後釜として黒木瞳が猛烈な追い上げをしてきているが、したたかなイメージ戦略で幅広いキャラクターを打ち出している。それはまさに「大女優吉永小百合」の轍を踏まないようにしているかのようでもある。

(評価:★2)

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