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[コメント] ゴッドファーザー(1972/米)

徹底した舞台構築により完成された、一つの世界の再現。といっても、→
むらってぃ大使

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







実際にこういう世界に足を踏み入れたことが無いのでそれが本当かどうか知るすべはないのだが、少なくとも聴衆をこの世界に引き込むには完全な演出をしている。

セットは車や街づくりはもちろん、バーで登場する酒のボトルやグラスに至るまで、当時のものが再現されている(ように見受けられる)。

衣装も役者の着こなしも完全だ。今日のSFやCGとは全く無縁の、徹底してアナログな作業の追求もまた、観るものの心を奪うのだということを改めて感じた。

登場人物のキャラクターと、役者の演じっぷりも、どの役柄を取ってもこれ以外のキャストは思い浮かばないと感じられるほどにはまりきっている。ソニーのマチズモ、ドン(ヴィト)の存在感、トムのクレバーさ、マイケルの根暗さ、フレドの小心者っぷり、全てが迫真だ。敵役もそれぞれ味があって素晴らしい。殺され方が(i)いきなり不意打ちで射殺、(ii)いきなり不意打ちで後ろから絞殺、(iii)(i)と(ii)を車の中で、とあまり変化が無いのもある意味リアルで恐ろしい。

これ一本だけ観て評価するのは難しいですね。3作あわせて一つの作品とでも言うべきピカレスクです。一作目から三作目までのブランクを考えると、そのように思わせる構成の完全さにもうならされるものがあります。素晴らしい。

(2002.7.25)

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] Myurakz[*]

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