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[コメント] 黄色いリボン(1949/米)

滅びに向かうばかりが漢の生き方ではない。より多く命を救おうとするのも、やはり“これこそ漢”の描写だよ。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 ジョン=フォード監督によるいわゆる「騎兵隊シリーズ」の第2作。『アパッチ砦』と本作は作りそのものはよく似ているのだが、司令官の素質が全然違っていた点が大きい。ここに登場するジョン=ウェイン扮するブリストル大尉はなるだけ戦闘は避けようと最後の最後まで策略を弄し、結果的に部隊を救っている。その性格の描写が気に入った。

 部隊対ネイティヴ・アメリカンという見せ場を無くしてしまった分、派手さはあまり無いが(一番の見所はネイティヴ・アメリカンのキャンプに夜討ちを仕掛け、馬だけを逃がすところ。長さにしてはほんの一瞬)、その分人物描写はきちんとなされていた。部隊を率いるものとして、損害を最小限度に抑えるため、部下を死地に向かわせねばならない事、自分に出来ることと出来ないことの狭間で悩むウェインの姿は格好良い。

 歴史的な描写も良し(南北戦争後に南軍の兵士を多数受け入れた砦だから、その辺の軋轢が微妙に演出されていた(これに関しては『アパッチ砦』の方が優れていたかな?)。年代を踏まえて観ると又違った魅力が見えてくるだろう。コミカルな描写も多数取り入れられていて、バランスは非常に優れていたと思う。

 スタンダード・ナンバーとなった主題歌も耳に残る良い曲だ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)死ぬまでシネマ[*] ナム太郎

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