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[コメント] アッシャー家の惨劇(1960/米)

ポーの作風はどこへやら。これぞコーマン得意の館もの!B級ホラーを語るには、外せない一本でしょう。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 ポーの「アッシャー家の崩壊」をベースに、コーマン流のケレン味をたっぷりと利かせた作品。生きた人間を埋葬してしまったと言うプロットのみを抜き出し、洋館、棺桶、死美人、ヴィンセント=プライス(ん?)、そして最後は火付けて全てをうやむやにしてしまうと言うコーマンお得意の演出で造り上げる。一連のポーのシリーズでは本作が一番最初の作品になるが、既にそのパターンを確立している。

 本作の見所は、なんと言ってもヴィンセント=プライスの一人芝居だが、実はよく考えてみると、本作のホラー的手法は全てその点だけに負っているような気もせんでない。だって色々小道具は付けても、どうしても作り物に思えてしまうし、雰囲気を作っているのは、人間だけ。しかもそこでまともに怖さの演技してるのは彼一人だから。

 コーマンらしく、極端な幻想的、美学的に陥ることなく、物語も単純。まるでお芝居のようにキャラクターだけで見せようとしているのは、一種の職人芸と言えるべきもので、どれだけ低予算でも、どれだけ早撮りしようとも、やはり面白さというものが出ている。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ナッシュ13[*] 茅ヶ崎まゆ子[*]

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