[コメント] スパイダーマン(2002/米)
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叔父の死を通じて、彼は正義の味方になることを自分に「課した」。ありがちなエピソードといえばそれまでだが、この年齢の若者がこれだけ過酷な状況を続けざまに体験したら(特殊能力発現!→有頂天→有効利用模索→プロレス→強盗→叔父の死→強盗と再会)、自分の心を縛ってしまうのも無理はない気がする。共感。
スパイダーマンは「贖罪」のヒーローだ。
で、「正義の味方であり続ける」ことで贖罪しながら、ピーターはピーターの人生も支えていかなくてはならない、というところもこの作品はキッチリ描いている。ここがいい。
正義の味方と仕事を両立できずに遅刻して会社クビになるピーター。夢がない!この夢のなさがいい!!
で、自分の正義の味方ン時のポートレート撮って生活資金を稼ぎ出すピーター。あざとい!この「いかにもガッコ卒業してすぐの社会慣れしてない若造が考えそうな短絡ッぷり」がいい!!
あのスパイダーマン全身タイツの目の部分がどういう素材でできているのかとか、そういうことは云わないでおいてもいいだけの説得力がこの作品にはあった。
そしてMJ。彼女は只者じゃない。彼女の歳で、ラストのあの境地に到達できる女性は少ないんじゃないだろうか。普通は、もっとたくさんナンチャッテな恋をして、「何か違うかも」「わたしこの人のどこが好きなの?」「この人、体裁のいい恋人が欲しいだけで本当はわたしのことなんか全然わかっちゃいないし、わかる気もないんじゃないの?」を散々繰り返して、「付き合ってみるまでこんな人だとは思いもしなかった」とか「ああ!あのとき何も考えずに振ったあの人の価値が今になって身にしみるぅぅぅぅ〜」とか散々後悔して、やっと、やっとのことで「ハッ、ピーター!」の境地にたどり着けるものなのだと思う。
久しぶりに続編が楽しみな映画を観た。(スーパースパイダーに噛まれたスパイダー犬、スパイダー牛、スパイダーナマケモノがぞろぞろ登場するシーンを勝手に想像して楽しんでる)
それにしても、正義の味方は摩天楼に多く分布する。農村部を駆け回るヒーローも是非サム・ライミに撮って欲しいものだが・・・
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