古くは『ディック・トレイシー』、最近では『スカイキャプテン〜』。さすが原作の漫画家を担ぎ出しただけあって、前出した作品を比べられるのも失礼とばかりに飛び越え、コミックでも映画でない（『スカイキャプテン〜』はコミックではないが）新しいジャンルを創作できた。が、これが面白いかどうかは別。ミホをはじめ脇のキャラクターはタっているものの、のんべんだらりと垂れ流す、血反吐のようなモノローグには辟易。

う〜んむしろ、このテイストなら『ヘルボーイ』が観たかった。『ヘル〜』はこの画づくりに負けているし、今作は漫画のようにコマで見せるやり方をやり遂げたのと同時に、限界をも見せてしまったように思う。スクリーンを打ち破ってくるパワーが感じられなかったのだ。ドギツさだけが飛び抜けてきた感じだ。

ストーリーに関しては、児童虐待がエピソード。やはり有名な映画にも観られたように「忌まわしい事件の真相を全てひっかぶる」というのが、アメリカ人の思う“覚悟”なんだろうか？なんかコマとコマの間に存在する、被害者の娘、ハーディガンの家族を思うとやりきれないです。まあ＜癒し＞を期待はしなかったけど。

原作を読んでいないので、あまり確実な話をできなくて申し訳ないのけれど、今作は原作の１、２、４巻のエピソードで構成されているらしい。３巻のエピソードは続編で映画化するとかしないとか。この映画で収束されないエピソードが、あるのかどうか分からない続編で解決されるのかは知らないけれど、正味そんな事知ったこっちゃないよ。この後味の悪さ、なんとかしてくれ〜。ナンシーの安全は、ハーディガンがいなくなったら丸く収まる？え？そんな事なの？？

追伸：上映途中、退場する人の多さといったら。ここ最近では記憶にないです…。