[コメント] バベル(2006/仏=米=メキシコ)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
・・・というのが、見終わった後の感想。色々な点を投げ出したまま、映画は役所と凛子の抱擁で終わる。
改めて『21グラム』での自分のコメントを読んでみると、「時間軸をずらす必然性が判らない。ある程度のストーリーが頭に入ってないとつらい映画だ」とあった。そのままその言葉が当てはまるが、まぁ東京編は全く関係ないんだけど。
で、色々な点が放置されたまま終わる。
1、その後、ガエル君はどうなったのか?
2、ブラピとブランシェットは復縁したのか?
3、凛子が刑事に渡したメモの内容は?
4、乳母アメリアとこどもたち、ブラピ夫婦とのその後は?
まず、1は、メインキャストであるはずのガエル君。ただのトラブルメイカーにしかなっていない。何の苦悩や葛藤も無いまま、叔母と子供たちを窮地に陥れたまま、暴走してフェイドアウトする。まぁ、本当に「何か国境でトラブルを起こしかねない」ということが判りやすいぐらいに明白だったので、せめて最後はどうなったのかぐらいはっきり見せてほしい。ピストル持ってたのは、なにか意味があったの?
2は、まぁ、一時の復縁も、二人の言動を見てたら、破局は時間の問題な気もするから、「想像にまかせる」といったところか。容態のほうは大丈夫なのか気になったが。このモロッコ編は、「なぜそんな<国際問題>になんか発展したのか?」ってことが不自然なんだけど。
一番の問題は3。この東京編はどうなの?凛子は頑張ってたと思うけど、この「チエコ」という少女の存在はどうなの?。「聾唖」というとてもデリケートなテーマに、一人の女子高生としての性衝動と、一人の人間としての「孤独感」を演出しようとして、バランスがとれずに失敗!なきもしる。まぁ「性衝動」の部分は、これが「男の子」だったら「あたりまえの健全?な衝動」になると思うから、「女の子」というだけで損はしているけど。
で、刑事に渡したメモ。内容が気になる。僕の推測では「ママを撃ったのは私」ではないだろうか?だとしたら、・・・・そこにまで踏み込んでほしかった。
4は、ちゃんとしないと、彼女が救われない。そして見ているものが救われない。このあたりの「悪意」は、富めるアメリカと、対するメキシコの立場への皮肉そのもの。息子の結婚式当日に「延期してくれ、金払うから」というアメリカ人。色々骨を折ってくれた通訳ガイドに金を渡そうとして、断られるのも印象的なシーン。
と、ほかにもツッこみたいところは満載だが、2時間半の間、見入ってしまったのは事実。乳母さんのために3点献上。
あ、最初のバレーボールの試合、どう見ても「アウト」じゃん。ラインズマンもフラッグ上げてるのに。それなのになぜに主審!。ちなみに大会に出るぐらいのレギュラー選手にして、あのへたくそなサーブは無いよね。
余談だけど、女の子はダコタちゃんの妹だよね。『アイ・アム・サム』のころのダコタちゃんそっくりだモン。ダコタちゃんも、ずいぶん変わったよね(成長した、というんじゃなくてね)
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