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[コメント] トータル・フィアーズ(2002/米)

うん、文句なく5点です。アメリカは、過去の戦争を引っ張り出してきて「戦争とは何か!?」を問うより、こういうサスペンスで「愚行は明日にでも起こりうる」と諭すほうがよいのかも。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







実は、前3作のジャック・ライアン物は見てないので、ベンのライアンには違和感は全然ありません。逆に俳優のイメージで、変に正義正義してなくていいかも。(と、友人に話したら、『パール・ハーバー』『アルマゲドン』のイメージが強いらしく、「えぇ?」といわれた)。

ピンとこなかったのは、わざわざ20年以上も前のイスラエルに眠る核爆弾を引っ張り出してこなくてもいいのと、爆発した核爆弾が「飛んできたもの」なのか「しかけられていたもの」なのかの区別ぐらいつくだろうというのと、広島より小型というセリフがあるにせよ、ボルチモアの被害があまり大きくなかったこと。本当なら、彼女は即死、大統領もライアンも間違えなく被爆していても不思議ではない。

・・・・・・以下、追記。

先日、広島にある原爆の資料館に行ってきました。ここを訪れるのは3度目ですが、今回はこの映画のことを頭に入れながら見学しました。原爆投下後の広島の惨状を再確認したうえで、やはりこの映画のその部分に関しては、稚拙で不勉強極まりないと思いました。「核爆発の危機」を描いた映画はたくさんあり、みな誰かの活躍により危機は回避されるものばかりだから、一歩踏み込んで、アメリカ国内で爆発させたというところは斬新で、ストーリー的には面白かったのですが、爆発したのは「爆弾」ではなく「核爆弾」であるということを忘れているのではないかと思ってしまうような描写でした。そして大統領を救うことを第一に考え、一般市民やスタジアムの観客たちを見捨てた形になっている。それがストーリーならしかたないが、やはりここは若きジャック・ライアンやあるいは他の誰かが爆弾をみつけ、爆発寸前で停止させた、という展開でもよかったのでは。その後の目には目を、歯には歯をの応酬も、筋書き次第でその面白みを削ぐことなく繰り広げることが出来たのでは。それでも爆発させた方がいいというのなら、この映画の製作者たちに広島の原爆の資料館を見せてあげたい。この映画を見た人が「原爆の被害ってあんなものなのか」と思ってしまっては、広島や長崎の方々に失礼だ。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)死ぬまでシネマ[*] カルヤ[*]

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