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[コメント] アメリカン・ヒストリーX(1998/米)

エドワードノートンはきっと目ん玉の替えを持ってるに違いない。役に合わせて取り替えてるんだ。無駄に長文→
あさのしんじ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







・・・って思うぐらいシーン毎に眼の色が違う。末恐ろしい役者さんですね。

■デレクの改心の過程について。

心変わりが早すぎると言う見方もあるけど、デレクはもともとそんな鉄の意志の持ち主じゃないと思う。

学校で素晴らしい黒人教師に出会い、惹かれる→親父にそれは洗脳だと、逆に洗脳される→親父が亡くなり白人至上主義が生まれる→刑務所内で黒人の友人が出来る→白人至上主義の仲間から暴行を受ける→そこへ件の黒人教師が現れて改心のきっかけを得る。

思い込んでしまうタイプの人、心の弱い人。そんなデレクにとって、刑務所での三年は長い。弟のダニーにしてもあれはただの一晩ではなく、神にも等しい兄からのご託宣を受けた特別な夜。心境の変化の過程もそんなに不自然ではない。

■ラストシーン

うーん・・・ひたすら後味悪い。あそこで撃つ前に終わってくれてればなあ・・・

☆★☆★☆★

↓以下は本編とは関係なく無駄に長いです。

人種差別を扱った作品を見るたびに、生粋の日本人(しかも日本一こてこてな地方)である自分ではノンフィルターで本質を見ることは不可能だと思い知らされる。

「アメリカにおける人種差別」は幾層ものフィルターを通って、「自分には理解出来ない価値観を持った人への差別」へと形を変えて私の頭と心へ届く。それがもし、正しい映画の見方では無いとしても。

昨年、とある飲み屋で居合わせたサラリーマン風の若い男性二人組がこの映画の話をしていた。

「アメリカンヒストリーって見た?」

「見たよ。重たいなあ。でも感動したわ」

「面白かったな。でも差別とかって言われてもようわからんけどなあ」

二人の感想はこんな感じだったように思う。

それからしばらく酒の肴のとりとめの無い話が続いた後、この間のコンパがどうとかと言った話題が耳に入って来た。

「もう全然あかんかったわ。全員ブスばっかり」

・・・こらこら(^^;)

周りに沢山女性もいる公共の場でそういう事を大声で言って、げらげら笑っているその行為だって物凄く無神経だぞ。言わば自分の美感で認められない容姿を持った他人に対する差別じゃないか。

身体的特徴や性的嗜好、家庭環境などが自分と異なると理解し難い事も多い。ついつい気付かぬ内に他人を傷付けてしまいそうになるのだけれど、こういった作品は自分の中のそんな部分に警鐘を鳴らしてくれる。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (7 人)エピキュリアン[*] ゼロゼロUFO[*] かっきー starchild[*] きたがわひでおみ ろびんますく[*] kekota[*]

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