なんつぅんだろうか･･･公に伝える配慮のない熱い映画論を、延々と聴かされているようで正直しんどい。とにかくものすごい真摯。映画に対する姿勢が。でも、真摯さも度を越すと暴力なんじゃないかとすら。役者も大変だ･･･。

平手打ち、飛び込み、花火、銃声、などの画面から火花が散るような唐突さ。酸欠を起こしそうな過剰な長回し(個人的には、冒頭よりかは川べりの乱闘シーンかな)。興奮させられるシーンも少なくはないけど、それにしてもまあ聞きしに勝る･･･。才気煥発という前に、｢商業映画｣という枷を忘れた暴れ馬の所業でしょ、コレは。でも後々を考えると、この監督の才能は一見｢商業映画｣という体裁の中で折り合いをつけてこそ、初めて優れた作品として実を結んだのかもしれない。だって、この調子で間口の狭いアート系に突っ走られたら、どうなったことやら･･･(笑)。

意図していることがあまりに剥き出しで、それらが正直一つの作品の一要素として消化されてないんじゃないか、という意味でこの評点だけど楽しかったです。後の秀作群につながっていくワケだし、というか、根幹にあるモノはここから先も全くブレてないと思う。

(2007/11/9)